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インターンシップとは?参加する意味と失敗しないための準備を紹介

インターンシップ

インターンシップとは、学生が企業で実際に業務に触れたり、会社の一員として働いたりする職業体験のことです。興味がある業界や、志望したい企業・団体を事前に体験できるため、業界や企業に対する理解を深められます。また、自宅などから参加できるオンライン完結型のインターンシップもあり、参加手段の多様化が特徴です。

そこで今回は、インターンシップの基本情報と参加までの流れを紹介します。

人事

この記事を読めば、インターンシップの意味やメリットを理解したうえで、参加への準備が進められるでしょう。

インターンシップとは

インターンシップとは、学生が在学中に企業で実際に働くことや、プログラムに沿って職業体験をする制度のことです。インターンシップには、1日以内や1週間の短期プログラムもあれば、1~3カ月、6カ月以上のような長期プログラムもあります。

実際に企業で働く人たちと関わり業務を体験することで、業界や職種について学び、就活や将来の方向性として適性があるのかどうかを判断できることがメリットです。

2013年卒以降、大学生のインターンシップ参加率は上昇しています。株式会社ディスコ「キャリタス就活」が2021年に調査したデータによると、22年卒の全国の大学3年生(学院修士課程1年を含む)802人の回答者のうちインターンシップ参加率は、87.8%であると発表されました。

学生のインターンシップ参加率/企業のインターンシップ実施率

参考:インターンシップに関する調査 ~キャリタス就活2022 学生モニター調査結果(2021 年4 月発行)
※調査期間:2021年3月6日~3月16日
※回答者数:802名

実際に職場体験することは、業界研究や企業研究では調べきれない「具体的な業務」「職場の動き」「社風」を把握できるため、働いた後のミスマッチをなくすためにも、学生が積極的に取り入れるようになっています。

また、インターンシップに参加後、企業からのアプローチとして、早期選考の案内や参加者限定セミナーなどが開催されるケースもあります。そのため就活を有利に進めたい学生には大きなメリットであり、参加率の上昇につながっていると考えられます。

インターンシップの種類

インターンシップは、開催する時期や参加方法、企業の業種や業態により実施内容が異なります。興味のある業種や企業とともに、自分に合うインターンシップを選びましょう。

インターンシップを選ぶポイント

詳細

開催期間

・1Dayインターンシップ(1日限定)
・短期インターンシップ(1週間前後)
・長期インターンシップ(1カ月、3カ月、半年以上)

(学生の)参加時期

一年中(夏や秋冬の開催が多い)

参加学生

大学1〜4年生(3年生募集が多い)

内容

実務

社員と同じように実務を体験
長期のインターンシップに多い

グループワーク

企画の立案や課題解決をして参加者に発表

職場見学

企業や業務内容の概要を知る
短期のインターンシップに多い

セミナー

業界や企業に関するセミナーの開催
1Dayや短期のインターンシップに多い

選考

選考あり

適性検査、面接などの選考通過者のみ参加可能

選考なし

条件を満たせば、申込のみで参加可能

報酬

・有給(時給が発生。3カ月の長期インターンシップなどで実施)
・無給

開催場所

・国内
・海外

参加方法

・企業
・自宅などからオンライン参加(セミナー系のインターンシップ)

実際のインターンシップでは、どのような内容で実施されているのでしょうか。

具体的な内容例(1)

■人材・教育に関する1Dayインターンシップ
【短期(1Day)/オンライン/大学3年生向け/業種:人材・教育】
採用コンサルティングの体験。実際の業務やビジネスの仕組みを知り、業務のなかで求められる力を学ぶ。社員との座談会も実施。

具体的な内容例(2)

■旅行・観光業のオンライン+リアルのインターンシップ
【短期(1Day+3Days)/オンライン+会場参加/学年を問わない/業種:旅行・観光】
企画提案の業務体験、プレゼンテーションとフィードバックの体験。オンライン1Dayインターンシップ後、希望者は東京か大阪の3Daysインターンシップに参加する。

具体的な内容例(3)

■不動産営業に関する長期のインターンシップ
【最低6カ月~/東京都内の企業に出社/給与あり/業種:不動産営業】
不動産営業のノウハウを学び、営業活動などの実務にあたる。ミーティング、研修プログラムも実施される。時給制で、土日出勤も可能としている。

インターンシップの参加日数

インターンシップには、1Day、短期・長期と、主に3つの開催期間が設けられています。

1Dayインターンシップ1日限定
短期インターンシップ1週間前後
長期インターンシップ1カ月、3カ月、半年以上

株式会社ディスコ「キャリタス就活」が2021年に調査したデータによると、インターンシップのなかでも、半日~1日の1Dayインターンシップのイベント実施率が半分以上を占めているとわかりました。

インターンシップ参加日数

参考:インターンシップに関する調査 ~キャリタス就活2022 学生モニター調査結果(2021 年4 月発行)
※調査期間:2021年3月6日~3月16日
※回答者数:802名

短期インターンシップが多い理由の一つは、学生が学期中でも参加しやすいことに加えて、企業側が「自社の認知度を上げるため」に開催する目的があると考えられます。

一方、長期インターンシップの場合は、期間中に社員の一員として業務を経験できますが、企業側は人員や時間の関係で、受け入れられる学生に限りがあります。まずは短期のインターンシップで自社を知ってもらい、エントリーをしてほしいという理由から、1Dayのようなプログラムが多いのです。

どのインターンシップに参加するかは、開催期間の日数より、実施内容や企業への関心の有無を重視するケースが多いかもしれません。

インターンシップに参加するメリット

インターンシップで職業体験をすることは、学生にとって以下のようなメリットがあります。

  • 職業体験ができる
  • 業界研究・企業研究のヒントや答えが得られる
  • 実際に働いている人から貴重な話を聞く機会になる
  • 就活マナーや社会人として必要な知識を得られる
  • インターンシップにおける情報収集や選考の準備で、就活に慣れる
  • これからの学生生活や就活でやるべきことが見える

インターンシップの大きなメリットは、興味のある業界や企業への知識が深まり、自分に適性があるかを判断しやすくなる点です。

短期のインターンシップであっても、実際に働いている人とコミュニケーションをとれる場を設けられることもあり、業界研究の際に感じた疑問点のヒントが得られるでしょう。

また、エントリーシートや志望動機の書き方などのコツやテクニックも重要ですが、話し方や立ち振る舞いなどインターンシップに参加することで得られる知識やスキル、マナーを身につけられる点もメリットになります。

Q:インターンシップに参加した方が就職に有利になる?
A:そうであると、一概にはいえません。
優秀な人材に内々定を出すことを目的に実施されるインターンシップもありますが、基本的には学生自身が職業体験したいイベントや企業をもとに、参加を判断してよいでしょう。

インターンシップはいつ頃から始めるもの?

インターンシップの開催時期は、おもに夏季は6~8月、秋冬季は10~2月です。

以下は、おおまかな就活のスケジュールを記したロードマップ例です。

就活スケジュール
  • 企業のタイプ(外資系・日系、海外)により開催期間は異なる
  • 長期のインターンシップでは、随時募集しているケースもある
  • 教員免許取得希望者は、実習と選考が重なることもある

上記のように、企業や団体の都合により、インターンシップの開催時期や参加するタイミングが異なります。ただ、インターンシップを探したり選考を進める準備が必要になるため、開催期間の数カ月前から行動する学生が多いです。

株式会社ディスコ「キャリタス就活」が2021年に調査したデータによると、学生がインターンシップに関する情報を探し始めた時期は、大学3年の7月、次いで同学年の8月という結果が出ています。

インターンシップに関する情報を探し始めた時期

考:インターンシップに関する調査 ~キャリタス就活2022 学生モニター調査結果(2021 年4 月発行)
※調査期間:2021年3月6日~3月16日
※回答者数:802名

多くの学生は、おもに夏からインターンシップの準備をスタートしているようです。その理由としては、秋から応募開始、冬に開催されるインターンシップが多く、夏休み期間を使い情報収集していると考えられます。ただし基本的には、自分自身が参加したいインターンシップ情報と、スケジュールを把握しておきましょう。

インターンシップ参加までの流れ

インターンシップの全体的な流れは、以下のとおりです。

  1. インターンシップ先(企業)を選ぶ
  2. インターンシップの募集にエントリー(応募)する
  3. インターンシップの選考を受ける
  4. インターンシップに参加する

まずは、業界研究・企業研究で導き出した、就活の方向性や自分の適性を考慮しながら、参加したいインターンシップ先の企業を選びます。また、インターンシップの実施内容を見て、興味がある企業にエントリーしてもよいでしょう。

気になる企業があれば、募集をします。基本的には、インターンシップの情報が掲載されているサイト上から募集できることが多いでしょう。

参加するために選考がある場合、募集要項に書かれているものを準備する必要があります。選考がない場合では、先着順の募集もあるため、いずれにしても締切やエントリーのタイミングを逃さないように注意してください。

Q:複数のインターンシップにエントリーしても大丈夫?
A:問題なく、複数にエントリーする方が一般的です。複数の選考が通過して、日程の都合がつかずお断りをする場合は、企業担当者へメールで連絡しましょう。

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Q:インターンシップによって選考がある?
A:人数を制限して開催するインターンシップでは、選考を設ける企業もあります。選考手段は企業により異なりますが、エントリーシートなどの書類提出、適性試験や筆記試験の実施、WEB面接、自己紹介動画による審査などが実施されているようです。
オンライン開催や1日以内で完結するインターンシップでは、人数制限なしや先着順のこともあります。

インターンシップに必要なものは?

ここからは、インターンシップ参加にあたって、必要なものを準備していきましょう。参加直前になってドタバタしないためにも、余裕を持って揃えておくと安心です。

シチュエーション別|インターンシップの服装

インターンシップ参加時の服装は、原則として企業の指示に従いましょう。スーツ、私服、服装自由、指定なしなど服装のルールは企業によりさまざまです。ミスチョイスや誤った選択をしないためにも、服装の準備とルールの確認を忘れないようにしてくださいね。

「スーツ」が指定のインターンシップ

服装が指定される場合は、スーツの着用を決める企業が多いでしょう。

就活生が着用するものは「リクルートスーツ」であり、社会人が着る「ビジネススーツ」とは異なります。

リクルートスーツとして販売されている商品を選べば間違いないですが、スーツの基本的な知識として覚えておくとよいでしょう。

リクルートスーツビジネススーツ
ジャケットのカラーブラック、濃いグレー、ネイビー明るいグレー、ブラウン、ブルーなど
シャツのカラーホワイト無地ホワイト、ブルー、ピンク、ブラウン、ネイビーなど
ジャケットのデザイン・柄無地無地、ストライプ、チェックなど
ネクタイ与えたい印象によって選ぶとよいTPOをわきまえたものを選択する
しっかりした印象を持ってもらいたい場合
スーツ着こなし例

画像引用:就活に最適なスーツとは?スケジュールに沿って選ぼう

  • 公務員
  • 教員
  • 商社
  • 金融業界
  • 1年生で初めてインターンシップに参加する学生

など、華やかさよりもかっちりとした社風の企業のインターンシップであれば、真面目で硬派な印象を与えるために、ブラックのジャケットにホワイトのシャツ(ブラウス)を選択しましょう。レディーススーツでは、パンツ・スカートはどちらでも構いません。

■しっかりした印象をもってもらいたいときのスーツ

ジャケットブラック
シャツブラウスホワイトの無地
ネクタイ・ブルー:知的な印象
・グレー:落ち着いた印象
・ストライプ柄:スタンダード、知的な印象
・小さいドット柄:上品な印象
ベルトブラック、ブラウン系
バッグブラックのビジネグバッグ
シューズ(革靴)パンプス・シューズ:ブラック、ストレートチップ
・パンプス:ブラック、ラウンドトゥorスクエアトゥ
※いずれも光沢が強いものは避ける
冬場の上着・ステンカラーコート・トレンチコート
カジュアルな印象を持ってもらいたい場合
オフィスカジュアル例

画像引用:【インターンの服装ってスーツ? 私服?】正しい服装選びを詳しく解説!

  • サービス業(接客、広告など)
  • 小売業(飲食など)
  • グループワークがある長期のインターンシップ
  • 社風的にかっちりしすぎていない企業

など、かっちりしすぎると浮いてしまう、清潔感とともに親近感など、明るい雰囲気を出したいときは、小物でスーツに少しカジュアルな印象を与えることがおすすめです。ネクタイはカラーやデザインが豊富で、見た目で印象が変えやすいでしょう。

あくまでもリクルートスーツのマナーの範囲内で、目立ち過ぎないようにコーディネートしてみてください。

■カジュアルな印象をもってもらいたいときのスーツ

ジャケットブラックがメイン濃いグレーやネイビーでもよい
シャツブラウスホワイトの無地
ネクタイ・レッド、エンジ系:情熱的な印象
・イエロー系:親近感、協調性のある印象
・細かいチェック柄:親しみやすさのある印象
・ストライプ柄:スタンダード、知的な印象
ベルトブラック、ブラウン系
バッグブラックのビジネグバッグ
シューズ(革靴)パンプス・シューズ:ブラック、ストレートチップ
・パンプス:ブラック、ラウンドトゥorスクエアトゥ
※いずれも光沢が強いものは避ける
冬場の上着・ステンカラーコート・トレンチコート

■商品紹介

「服装自由」「私服可」なインターンシップ

服装自由、または私服可のインターンシップでは、オフィスカジュアルと呼ばれる服装で参加することが一般的です。

オフィスカジュアルとは
ビジネスシーンにふさわしい、カジュアルな服装のこと。スーツではないジャケットやカーディガンなどの上着を着て、シャツまたはブラウスと、スカートやパンツを合わせる。社風に合わせるとなおよい。

初めて「私服可」のインターンシップに参加するとき、どこまでカジュアルが許されるのか、実際に何を着用すればよいのか迷う人は少なくありません。ここでは、オフィスカジュアルにおける好ましい例・好ましくない例を紹介します。

オフィスカジュアルの好ましい例・好ましくない例
好ましい例好ましくない例
トップス・襟付きシャツ
・ブラウス(ホワイトやライトブルーなどさわやかなカラー)
・カーディガン
・スウェット生地
ボトムス・スラックス
・チノパン
・デニム
・短パン
アウター・ステンカラーコート
・トレンチコート
・チェスターコート
・ダウンジャケット
シューズ・革靴
・ローファー
・スエードシューズ
・スニーカー
・サンダル
・ヒールの高すぎる靴
バッグ・レザー素材のバッグ
・ビジネスバッグ
・リュック
アクセサリー類・派手すぎない腕時計・ブレスレットやネックレスなどの貴金属
・帽子

オフィスカジュアルの好ましい例でも、派手なカラーやデザインのものは、インターンシップにふさわしくありません。

青山の就活スーツレンタルサービスの活用

業界や企業に合わせたスーツを複数持っておきたいですが、費用の都合上なかなか買いそろえられない人もいるかもしれません。このようなときは、大学生・短大生・専門学生限定で、スーツのレンタルサービスを利用してみませんか?

  • 4泊5日:4,290円
  • 9泊10日:6,490円

メンズスーツはジャケットとスラックス、レディーススーツはジャケットとスカートの2点セットです。スーツを購入するよりもリーズナブルで、クリーニングをせず返却できるため、レンタルの料金のみで利用できます。

予約した店舗での受け取り、返却可能であり、梱包して送り返すといった手間もありません。「数日・数回だけのために、スーツを買うのは難しい」と悩む方は、ぜひ一度レンタルサービスを活用してみてください。

インターンシップ先の探し方

インターンシップ先は、おもに以下の方法で応募先を探せます。

  • マイナビやリクナビなどの、就職情報サイト
  • 企業のWEBサイトにある、求人情報ページ
  • 大学内のキャリアセンターやイベントでの募集
  • JEEKインターンシップガイドなどインターンシップ専門の募集サイト
  • OB・OGからの紹介

インターネット上で公開されている募集は、会員登録などが必要ですが、その場で応募できるケースがあります。インターンシップの内容、開催期間、応募条件、選考の有無などの募集要項が書かれているため、自分に合う内容かをチェックしてみてください。

応募の締切日時と、選考の受付期間は、スマホのメモやスケジュール帳などにメモをして、間違えたり忘れたりしないように注意しましょう。

インターンシップの目的を決めておくことが大事

インターンシップ先を探して応募するとき、なぜそのインターンシップに参加するのか、目的を明確にしておきましょう。「なんとなく」「楽しそうだから」「勉強になりそうだから」といった、はっきりしない理由でインターンシップに参加をしても、ただ時間が無駄になるだけです。

インターンシップへの参加を目的にするのではなく、何を学び就活で活かしていくのかを考えてみてください。

ポイント

  • 業界、企業の理解を深める
  • 自分が、インターンシップに参加する業界や企業に適性があるかを確かめる
  • 就活の方向性を確認する
  • グループワークや選考の対策をする
  • ビジネスコンテストが開催されるインターンシップで、自分のレベルを把握する

人それぞれ参加する目的、インターンシップのなかで学びたいことは異なるはずです。参加することに意味をもち、就活・将来・学生生活に役立てることを目的としたインターンシップにしましょう。

まとめ

インターンシップは、学生の9割近くが参加している職業体験であり、開催時期や期間もさまざまであるとわかりました。必ず参加しなければならない、参加しなければ就活に不利とはいえないものの、就活のなかで活かせる知識や思考を身につけられるでしょう。

また、適性試験など選考を設ける企業もあるため、不安がないよう準備をしておくことが大切です。

そして、インターンシップ参加の際には、スーツやオフィスカジュアルの私服を着るなど、身につけるものの用意も欠かせません。就活に乗り遅れないため、余裕をもって本番に臨むためにも、インターンシップの流れと必要なものを把握して、準備にとりかかりましょう!

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